令和5年定期公演(いしかわ百万石文化祭応援事業)


本公演は「いしかわ百万石文化祭2023応援事業」です。
深瀬木偶回し保存会は「いしかわ百万石文化祭2023」広報ボランティアとして、第38回国民文化祭及び第23回全国障害者芸術・文化祭の開催周知をはじめとした広報活動に取り組んでいます。


~当日の様子と幕間のお話~


仮名手本忠臣蔵 浄瑠璃・松井定子

雷雨の中、盗賊が出るという夜の街道を、ひとり行くのは早野勘平。妻・お軽の実家に匿われ猪討ち猟師として生計を立てています。提灯片手にやってくる旅人は、なんとかつての同僚・先崎弥五郎です。勘平が武士の心を忘れていないと知った弥五郎は、仇討ち連判に加われるよう取り計うので、資金を工面するよう助言します。


さて、この物騒な街道の先の方。勘平の舅・与市兵衛は大金の入った縞の財布を懐に、家路を急いでいました。仇討ち連判の噂を耳にしたお軽が、身売りして勘平のために御用金を整えることを決めたのです。娘の希望を叶えるために祇園町に出向いた与市兵衛。財布の金はその身売金の半金でした。


お軽の実家・山崎では、どこからともなく麦かち歌が聞こえてきます。おやじでてみや、ばばんつ、ばばんつれて。与市兵衛の帰宅が遅いので、お軽と母は、このように長閑な歌にも心を痛めるのでした。そんな中、とうとう祇園町一文字屋の迎えの駕籠がやってきます。





忠臣蔵・勘平、旅人姿の弥五郎に遭遇

縞の着物の一文字屋


大江山・酒呑童子2段 浄瑠璃・道上哲夫

先に上演した忠臣蔵5段・6段は深瀬のでくまわしの演目の中では最も新しく、明治期になって取り入れられたものです。対して、これから上演する大江山・酒呑童子は深瀬に伝わる浄瑠璃作品の中では最も古い部類に属すものです。掛詞などの工夫に乏しく、浄瑠璃作品としてはやや発展途上の感もありますが、ストーリーが明解なため人気の高い作品となっています。旧深瀬出身者の多くが、子どもの頃のでくまわしの思い出としてこの大江山の「鬼退治」を挙げるほどです。

時は平安時代、帝の勅命を受けた頼光ら、6人は3社の神の加護を受けて大江山に住む鬼を退治に向かいます。




 コロナ禍を経て、3年ぶりに定期公演開催が叶いました。ご支援・ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

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