でくまわし準備
深瀬のでくは女性たちが中心となって準備するものでした。4体の「女でく」は髪の毛が全く見えないほどたくさんの簪をさしているのは、女性たちが自身の担当のでくを
いつになく美しくしようとの思いが余っての結果です。
ヒロイン「女一番でく」はでくまわしの開催の度に着物を新調しました。
着物も年々上等の生地を使うようになり、とうとう金糸を使った帯地で仕立てるようになりました。
なぜ深瀬の女性たちがでくまわしのためにこのような出費をすることができたのでしょう?深瀬ではほとんどすべての世帯が特産の桧笠生産に従事していました。笠の編み手である女性たちは、大晦日に作った笠を家計に入れることなく自身の収入にすることにしていました。深瀬では古くから、女性たちが自由に使える資産を持っていたのです。
深瀬の伝統「でくまわし」も「ひのき細工」も女性の手によって支えられてきました。
